バトゥ・ガジャは、かつてマレーシアの主要産業であったスズの採掘の町として栄えました。イポーのスズ産業は、1970年代後半のスズ鉱閉鎖によってほぼ終焉を迎えましたが、採掘地はそのままにされたため、露天掘り跡の穴には水が溜まり無数の池となって点在しています。
スズは他の各種金属とともに花崗岩石中に含まれていますが、花崗岩は比較的風化に弱い岩石で、地表の露頭は長い年月の間にボロボロに崩れ、雨水に流されて下流の河川沿いに堆積します。そのため沖積層中にスズが大量に、かつ高純度で含まれていることがあります。キンタ川沿いにスズの鉱床ができたのはこのような理由からと考えられます。
バトゥ・ガジャ郊外のキンタ川沿いには、今でも多くの露天掘りの池が残っています。また、池の周りに工業地帯が広がっている地域もあります。この中には、KILO
Industries Sdn. Bhd. や Projalma Sdn. Bhd. などの建設資材や建設の業者があります。
KILO Industries Sdn. Bhd. (KISB) は、2007年5月22日に100%地元資本で設立されました。KISB
は特にNational IBS Roadmap に適応する建設資材の製造を積極的に目指しています。KISB
はプレキャストコンクリートの建物の材料製品、成分調整済みのコンクリート製品やアスファルト舗装の3つの主要なグループの生産に注力しています。
Projalma Sdn. Bhd. はプレキャスト技術の高さに特化した、マレーシアで評判のよい土木工学の土建業者です。1990年に設立以来、Projalma
はマレーシアで多くのプレキャストコンクリートセグメント橋、高品質のプレキャストパラペットを完成させ、現在は、Industrialized
Building System (IBS) に進出しています。
バトゥ・ガジャを流れるキンタ川
イベントホール、スイミングプールや蓮田と見晴台がありましたが、蓮田は放置されているようで荒廃していました。
KILO Industries Sdn. Bhd.
Projalma Sdn. Bhd.
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