22 July 2013

バンレイシ Sugar apple

バンレイシはバンレイシ科バンレイシ属の植物またはその果実。別名 釈迦頭(しゃかとう)。英語ではsugar apple(シュガーアップル)。中国語では「蕃茘枝」(ファンリージー)、インドネシア語ではSrikaya(スリカヤ)と呼ばれます。

原産地は西インド諸島、ペルーなど中南米。樹木は多年生半落葉性の低木で6~8mに成長します。花期は4月から6月で薄緑色の花が咲きます。原産地の他、アメリカのフロリダ州、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシアなど東南アジアでも広く栽培されています。7月から翌年1月にかけてが収穫期で、年に2回収穫できる木もあります。生食用の果実として出荷される他、アイスクリームの副原料としての需要もあります。

果実の表面は緑色で凹凸があり、変色した黒い斑点があります。形状が螺髪を持つ仏像の頭部に見えることから釈迦頭とも呼ばれています。果肉は白いシャーベット状、クリーム状で、中に小豆ほどの大きさの黒い種子が複数入っています。味は非常に甘味が強く、ねっとりした果肉の中にジャリジャリとした砂糖の粒を噛むような食感があります。このジャリジャリした歯ざわりは、果肉中に梨と同じ石細胞が多く含まれているためです。英名のSugar appleはこの食感から付けられました。

流通は完全に熟さない状態で出荷され固い状態ですが、食べごろに熟すと短期間に果肉がシャーベット状からクリーム状になり崩れ易くなります。運搬には細心の注意が必要で、また長期の保存と運搬に向かないことから、日本にはほとんど輸入されていないようです。

レッドアテス red sugar-appleは、釈迦頭の改良品種か突然変異種とみられ、釈迦頭と同じ果実の形状で、果皮の色が赤紫色をしています。世界的に栽培量が少ないことからか、あまり市場には流通していないようです。掲載した写真は、レッドアテスのように見えます。