パラミツ(ハラミツ、波羅蜜、菠蘿蜜)はクワ科パンノキ属の常緑高木です。原産はインドからバングラデシュと考えられていて、バングラデシュの国の果物でもあります。パラミツはマンゴーやバナナと共に、タミル・ナードゥ州の三縁起物の果物の一つとして知られています。東南アジア(タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピン)、南アジア(インド、バングラデシュ、ネパール、スリランカ)、アフリカ(カメルーン、ウガンダ、タンザニア、モーリシャス)、ブラジル、ジャマイカなどのカリブ諸国全体、東アジアでは台湾南部や中国海南省、広東省、雲南省などで栽培されています。
英語ではジャックフルーツ(Jackfruit)、バングラデシュ(ベンガル語)ではカタール(Kathal)、インド(ヒンディー語)ではカタル(Katal)、マレー語、インドネシア語ではナンカ(Nangka)と呼ばれています。和名は漢語由来の波羅蜜ですが、ほかにマレー語のナンカを語源とする南果(なんか)とも呼ばれます。
パラミツは実生から3年で果実をつけることもあるほど生長が早いようです。幹や太い枝に連なってぶら下がる果実は世界最大の果実と言われ、長さ90cm、直径40cm、重さ40~50kgに達することもあります。これが木の幹に連なってぶら下がるのですから、木は相当強靭と思われます。木材は建材(屋根、ドア、窓)、家具、仏像、印鑑の他、楽器ガムランのドラムの樽を形成するために使用されます。また、材は仏僧の法衣などの淡褐色の染料に使われます。葉は成木では長楕円形ですが、幼木では大きな切れ込みがあります。葉と根は薬用になります。
果実の表面には数mmのいぼ状の突起があり、黄色く熟すと強烈な甘い匂いを放ちます。熟した果肉は生で食べられます。ちょっとくせがありますがとても甘いです。フルーツとしてはみずみずしさに乏しいですが、弾力性のある食感をしています。果肉はでんぷんや繊維質で、食物繊維の供給源です。食用生パラミツ100gは、エネルギーを397kJ(約95カロリー)、抗酸化ビタミンCを13.7mg程度提供します。種子は蛋白質が豊富で、焼いたり茹でたりして食べられますが味気ないです。
朝市や夜市で売られています。
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