マレーシアには約310種のヤシが原産しているそうですが、ヤシと言えば通常ココヤシを指します。果実は海水に浮かんで遠方まで流され、種子が広範囲に散布され分布を広げます。
ココヤシの木は高さ30mを超えるくらいに成長し、斜めに生えることが多いです。木の上部に直径約30cm、重量数kgの実(ココナッツ)が生ります。成熟した実は自然に落下するので、木の下は危険です。
ココヤシは、その優れた多様性から人間にさまざまな恵をもたらし、「大自然から人間への偉大なる贈り物」と呼ばれています。
若い実からはココナッツジュース(1個の実に約1リットル入っている)と透明な果肉のココナッツゼリー、成熟した実からは白い果肉のココナッツミートとココナッツミルクと椰子油が採れます。
皮の繊維はロープなど、殻は容器として用いられ、また、殻は燃料(炭)になり、燃えかすは椰子殻活性炭として消臭剤になります。花梗からは椰子蜜、椰子糖、椰子酒が採れます。
葉はケトゥパッ(チマキ風ライスケーキ)を包むのに、茎はサテイ(マレー風焼き鳥)の串に、幹は高床式住居の基柱に、根っこの繊維質は歯ブラシに使われています。
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