ヒンドゥー教では、牛が神聖な動物として崇拝の対象となっていますが、水牛に関してはヒンドゥーの教義上、通常の牛とは明確に区別され崇められていません。よってその肉は、非ベジタリアンには食用にも用いられ、水牛の肉は様々な分野で利用され、輸出もされています。水牛の肉は肉質が堅いのが難点であり、煮込み料理に適するようです。
水牛の乳は脂肪分が8%程度と家畜の中で最も多く、鉄分、ビタミン類、乳糖なども、一般に牛の乳よりも豊富に含まれています。分布地では多くの人々が飲用や加工用に利用しており、チーズなどの伝統的な材料となっています。
水牛の角は大きく、その形には威圧感があります。怒らせると極めて危険な動物になり、トラなどの肉食獣も成長した雄牛には襲い掛からないほどだそうです。水牛の角は印鑑、三味線の駒、櫛、和包丁の柄、置物などの角細工に使われます。
水牛は水浴びを行い、また避暑や虫除けのために泥浴びもします。写真の水牛の水浴び場は、石灰質の土壌に水牛が掘ったり、重みで凹んだと思われる窪みがあり、そこに雨水が溜まって出来ているようでした。深さは1m程度でしょうか。 セメントは石灰岩から作られているので、工事現場の水たまりのようでもあります。こげ茶色の毛の水牛は、水溜りから上がると灰色の牛に変身します。