22 June 2013

天然ゴム産業

マレーシアを代表する第一次産業ば、天然ゴム、スズ、パームオイル、原油、木材などがあげられます。イギリス植民地支配下の19世紀に、マレー半島で天然ゴムのプランテーション開発が進められました。特に20世紀初頭、イギリスの資本を基に大規模なプランテーションが数多く開発されました。プランテーションの成長は、労働力不足を補うためにインド人の移民を招きました。

※ プランテーションとは、熱帯や亜熱帯地方の広大な農地に、先住民や奴隷などの安価な労働力を使って、単一作物を大量に栽培する農園のことをいいます。

マレーシアはもともと天然ゴムの農園が盛んで、全耕地面積の3割がゴム農園です。特に半島マレーシアの西海岸沿いにゴム農園が集中しています。1980年頃までマレーシアは天然ゴム生産量は世界第1位を誇っていました。

マレーシア政府の政策で、日本をはじめとする諸外国の進出により、機械工業や重化学工業が成長を遂げ、とりわけ機械工業は輸出品目の第1位にランクされるようになるなど、経済全体に占める第一次産業の地位は年々低下しています。

天然ゴム農園においては、樹木の老齢化、若年労働者の他産業や都市への移動、そして、政府の政策に従い、大規模ゴム農園はより収益性が高いという利点からアブラヤシ農園へ転換が行われ、1990年代に入ると耕地面積のトップの座は天然ゴムからアブラヤシに変わりました。

1980年代後半以降、天然ゴム生産量は減少し、マレーシアの天然ゴムの生産量はタイ、インドネシアに次いで世界第3位に後退しました(FAO統計2005年)。

政府は、2012年9月にクアラルンプールで開催された「第6回国際ゴム手袋会議」において、首位奪還を目指して用地の拡張や苗木の植林など生産量の増加を図るだけでなく、最新技術を駆使し、高品質のゴム製品を生産するための施設・試験所を設立し、ゴム産業の活性化に着手することを表明しました。


イポー TAIKO GARDEN 内のゴム農園

ゴムの樹液採取。ゴムの木の皮を剥いで幹に斜めに傷をつけ、そこから出る乳白色の樹液を容器に受けます。 







マレーカンポン内の個人経営のゴム農園