02 June 2013

トラリピ手法(1)

トラリピの心構え

トラリピはローリスク・ローリターンで取り組む手法で、純資産の3~5%程度の月利を狙う取引法と言われています。トラリピはリスクを2倍にすればリターンも2倍になるので、トラップ条件を変えて収益を高めることは比較的簡単な取引法ですが、その分リスクも高くなり強制ロスカットされる危険性も増します。トラリピにおいては、純資産に対し適度な収益実績が得られるようにトラップ条件を調整したり、ポジションを調整することが重要です。収益率が高過ぎたらリスクが高くなっていると考える習慣をつけたいです。

トラリピは逆張りトレードなので、相場が一方向に大きく動いた時には所謂ナンピンと同じ状態になるので、強制ロスカットされないような資金・ポジション管理が非常に重要です。ロスカットされてしまうと、それまでにコツコツ稼いだ努力が一瞬で水の泡になってしまいます。

トラリピは長期運用型の投資方法であり、ルールきちんと決めてそれを厳守すれば資産は着実に増えていきます。個々の取引は短期売買ですが、全体的に見ると長期投資ですので、ローリスクローリターンで気長に資産を増やしていく心構えで取り組みたいところです。もし、ハイリターンを求めるのであれば、トラリピではない別の取引法で行なうことになります。

精神面から考えてみても、トラリピは常に何かしらのポジションを保有しているので低レバで実践しないと気が休まりません。それと、仕掛けた指値に到達するのを待つ忍耐力が必要です。トラリピは必ずドローダウンの時期があり精神的にはきついです。それを和らげるためにはローリスクの運用が必要です。また、軌道に乗るまでにある程度時間も掛かります。資金管理が甘かったり、サブプライムショックのような暴落が起きたら強制ロスカットされる危険性の有る取引法ですから、常に気を引き締めて運用しなくてはなりません。

トラリピのルールは非常に簡単なので誰でも実践可能ですが、ルールを厳守することは難しいようです。トラリピで失敗する人は、欲が深くハイリスク・ハイリターンで取引している人、資金管理・ポジション管理が出来ない人、そして、ルールを守れない人です。

トラリピをルール通りやらずに裁量を加えてパフォーマンスを上げようとする人も多く見掛けます。工夫を加えると言えば聞こえは良いのですが、裁量トレードで勝っている人は5%程度らしいので、ほどほどにした方が良さそうです。せっかく勝つ可能性が高い取引法なのに、裁量を加えたばかりにトラリピ本来のパフォーマンスを上げられないどころか、資産を増やせなかったなんてことにならないようにしたいものです。トラリピに裁量を加えるということは、人間が本来持っている欲を出した状態と同じと考えられます。FXは欲を出すと負けます。謙虚に取り組むことが必要です。基本ルールを厳守し、感情を入れずに淡々と取引するよう心掛けたいものです。


トラリピの原理

トラップリピートイフダン(トラリピ)の詳しい解説は、トラップリピートイフダン ページが参考になります。

先ず初めに、両建てトラリピ手法が生まれた理由について考えてみます。為替チャートを見ていて思うことは、あの波のような為替の動きの差益を全て獲れないものかということです。為替は上に動くか下に動くか2通りしかありません。そこで考えられるのは、同一レートでロングとショートのポジションを両方持ち、為替がどちらに動いても為替差益を得られる状態にしておけばよいということです。上に動いたら適当なレートでロングポジを決済し、再度そのレートでロングとショートのポジを持ち次の為替の動きに備えます。この時点でロング1個、ショート2個保有することになります。その後もレートが上昇するとショートのポジが増えていきますが、為替は何れ元に戻るという大前提のもとに保有し続けて、建値レートより下がった時に適当なレートで決済するようにします。未来の値動きに対して上下どちら方向に動いても対応出来るように先手を打ってポジションを保有するという考え方です。

例えば下図のチャートで考えて見ます。現在の為替レートは状態1の80円とします。このレートでロングとショートのポジを各1個建てます。今後、為替は図のようにここをセンターとして70~90円位の範囲で動くと想定したとします。次に、適当に上がったら決済するということをルール化して1円上がったら決済すると決めたとします。81円になったら機械的にロングを決済し、再び同値でロングとショートのポジを各1個建て、82円に上昇した時、或いは、80円に下落した時の決済用ポジションとして備えておきます。

この考え方を更に発展させ、最初の状態1の時に今後90円位まで上昇すると想定したのですから、レート81,82,・・・90円での決済用として状態1の時にロング10個保有しておきます。また、逆に今後70円位まで下落すると想定したのですから、79,78,・・・70円での決済用として状態1の時にショート10個保有しておきます。つまり、状態1の時に今後の為替レートを想定し、その範囲内での取引用のポジションを保有しておくことになります。

状態1の時、ロングとショートを各10個仕込みます。

状態2の時、状態1で仕込んだロングポジを1個決済すると同時にショートを1個仕込みます。これはレートが81→80円に下落した場合に備え保有します。(このポジは状態22から23になった時に決済されます。)

状態3の時、状態1で仕込んだロングポジを1個決済すると同時にショートを1個仕込みます。これはレートが82→81円に下落した場合に備え保有します。(このポジは状態5から6になった時に決済されます。)

状態4の時、状態1で仕込んだロングポジを1個決済すると同時にショートを1個仕込みます。これはレートが83→82円に下落した場合に備え保有します。(このポジは状態4から5になった時に決済されます。)

状態5の時、状態4で仕込んだショートポジを1個決済すると同時にロングを1個仕込みます。これはレートが82→83円に上昇した場合に備え保有します。(このポジは状態7から8になった時に決済されます。)

状態6の時、状態3で仕込んだショートポジを1個決済すると同時にロングを1個仕込みます。これはレートが81→82円に上昇した場合に備え保有します。(このポジは状態6から7になった時に決済されます。)

状態7の時、状態6で仕込んだロングポジを1個決済すると同時にショートを1個仕込みます。これはレートが82→81円に下落した場合に備え保有します。(このポジは状態21から22になった時に決済されます。)

状態1で仕込んだロングの残りポジ7個のうち6個は状態9~14で決済されます。状態1で仕込んだショートポジ10個のうち9個は状態24~32で決済されます。状態24~32で仕込んだロングポジ9個は状態33~41で決済されます。・・・・・

上記のやり方を繰り返す取引をルール化すると、両建てトラリピ手法のルールが出来上がります。このように、両建てトラリピ手法は常に先手を打ってポジを仕込み、決められたレート間隔(トラップ幅)で全ての為替差益を獲得しようとする取引法と言えるのではないでしょうか。(チャートのトップ、ボトム付近の差益は獲り損ねますが、トラップ幅を狭くすれば、獲り損ねは減らせられます。)

以上ですが、この取引法は、為替はいづれ元のレートに戻るということを大前提にしていることに注意が必要です。